合一 (孤立の克服) のための祝祭的興奮
人々が合一 (孤立の克服) のために用いてきた方法のひとつ
揺籠期の人類は、自然と一体感を持つ
そのころの人類は動物の仮面をかぶったり、トーテム動物や動物神を崇拝
子どもは母親との一体感を持っているので、孤立感を覚えることはないのと似ている
原始的な絆から抜け出すにつれ、新しい方法を見つけたくなる
そのうちの一つが祝祭的興奮状態 (自己催眠的な恍惚状態や麻薬の助けなど)
性的体験もこの祝祭的興奮状態と密接な関係 → しばしばそのなかに混じる
性的オルガスムは、トランス状態やある種の麻薬の効果と似た状態を作り出す
性的な乱交の儀式は、多くの場合、原始的な儀式の一部
人々は集団的な興奮状態を経験した後しばらくは孤立感にそれほど苦しまずにすんだよう
また不安による緊張感がつのってくると、ふたたび儀式が繰り返されて、緊張が解かれる
部族全体でこういう儀式をしている間は罪悪感を覚えたり恥じることはない
共同の行事を捨てた社会に生きる個人は?
アルコール中毒や麻薬常用は、祝祭的興奮を知らない社会に生きる個人が選ぶ方法
罪悪感や良心の呵責にさいなまされる
孤立感から逃れようとして、ますます孤立する
セックスによる興奮状態
ある程度自然で正常な方法
ただし、他の方法で孤立の不安から逃れられない人にとってはアルコールや麻薬にふけるのと変わらない
興奮状態による合一体験は 3 つの特徴
強烈、まれに激烈でさえある
精神と肉体の両方にわたって、人格全体に起こる
長続きせず、断続的・周期的
参考文献
愛するということ 新訳版